緩和ケアの医療費と助成制度について

ガンは、皮膚ガンの悪性黒色腫の特効薬として開発されたオプジーボや根治切除不能な悪性黒色腫の特効薬とされるキイトルーダなど免疫チェックポイント阻害剤の開発によりガン治療は飛躍的に進歩したと言われています。しかし、ガン患者の生命を脅かされている事には変わりは無いのでより早期の段階からクオリティー・オブ・ライフQOL生活の質を改善する緩和ケアが必要とされ、現在では入院患者だけで無く外来患者や在宅療養患者も受ける事が出来ます。

がん治療と並行して受ける緩和ケアは、都道府県がん診療連携拠点病院や地域がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院、特定領域がん診療連携拠点病院など国が指定した400を超えるがん診療連携拠点病院の担当医や看護師、ソーシャルワーカー、心理士、栄養士などで構成される緩和ケアチームによって緩和ケアが提供されています。緩和ケアは、ガン症状や治療の副作用などの身体的な苦痛、不安や孤独感などの精神的な苦痛、医療費などの社会的苦痛、死生観や価値観の変化などのスピリチュアルペインなどの緩和及び解消を目的として患者及びガン患者の家族に対して行われます。

緩和ケアの費用は、厚生労働省承認の緩和ケアチームの場合には緩和ケア診療加算4000円/日の健康保険の負担率分の支払いが必要となります。又、厚生労働省認可の緩和ケア病棟の入院費用は30日以内は49260円、31日以上60日以内の場合は44120円、61日以上の場合は33840円の定額とされ、健康保険の自己負担率分の支払いが必要となります。緩和ケアの診療加算費用及び入院費用は、年齢や所得によって異なりますが、高度療養費制度の自己負担額の上限を超える部分は払い戻しを受ける事が出来ます。